森のくまさん。その3

2007年07月10日

森の木の管理は、本当はふくろうの仕事です。
森が枯れると、ふくろうの責任になるのです。
ライオンに、どんな目に合わされるか。


森の木が枯れたのは、くまのせい・・・・

怒れるライオンを目の前にして
恐ろしさで、何も言えないふくろうにとって
格好の言い訳が出来ました。



ふくろうは、迷わずライオンに告げました。

そうです。森の木が枯れたのは、全てこのクマのせいです。



ライオンの命令で
クマさんが、森を出て行くことになりました。
小さなリスの子が、物陰から覗いていました。
くまさんは、にっこり笑うと小さな袋を子リスに渡しました。
子リスがのぞくと、袋の中には木の実がいっぱい入っていました。

くまさんは、みんなと仲良くなりたかったので、
上手く話せるようになったら
みんなにプレゼントしようと思って、
木の実をこっそり集めていたのです。


くまさんは、新しい森を探して旅に出ました。
今度こそ、居場所を見つける為に。

ふくろうは、今までのように この森の長として残りました。

狐は、子リスがもらった木の実をつまみながら
くまさんって、案外良い奴だったのに、かわいそうね。と言いました。



やがて、森は再生しました。
くまさんが残していった、たくさんの木の実が
その源になったのです。


             森のくまさん。終わり
  

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森のくまさん。その2

2007年07月09日

数日前。
お母さんと住んでいた森から出てきて
やっと、新しい居心地の良い森を見つけたクマさん。

森で1番偉いふくろうさんが、住んでもいいと言ってくれた。
 嬉しいな。
 よし、早くこの森のみんなと仲良くならなくちゃ。

そう思ったくまさんでしたが、
恥ずかしがりやで
なかなか、みんなと仲良く出来ませんでした。

しかも、もともと働く事が嫌いなふくろうは、
くまさんが気が弱いのをいいことに
いろいろ用事を言いつけては、自分の手元から離さず
森のみんなと仲良くする機会を奪っていました。

ある日、小さなリスや小鳥たちがくまさんの力を貸して欲しいと
ふくろうにお願いに来ました。
力持ちのくまさんの力が、本当に必要だったのは
森の小さな動物たちだったのです。

しかし、ふくろうはくまさんがいなくなってしまうと自分が困るので
くまさんにその事は言いませんでした。
いつまで待っても、くまさんからの返事はなく
やがて、森のみんなには、くまさんが断ったと言う噂が広がりました。

何も知らないくまさん。



森の動物たちの不安や怒りが、森じゅうに満ちあふれていきました。



そして、森の木が枯れはじめ
ライオンがやってきたのです。
  

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森のくまさん。

2007年06月27日

ある所に、大きな森がありました。
森には、いろいろな動物が住んでいました。

ある日、遠くの森から
一匹の若いクマがやってきました。

たいていの動物は、大きくなると
親と離れて
ひとりで暮らしなければならないのです。
この森は大きいし、食べ物もいっぱいあるので
今までもいろんな動物がやってきていました。

森で1番偉いふくろうは、
自分の言う事を聞くなら、この森に住んでもいいとクマに言いました。

クマは、森に住めるのならと快くうなづきました。
それから、ふくろうの身の回りの世話をして
朝から晩まで、ふくろうのそばにいました。

力持ちでおとなしく、何でも言う事を聞くくまを
ふくろうは、たいそう気に入っていました。


しかし、この森には、ずるがしこい狐がいました。
狐は今まで、ふくろうの1番のお気に入りになる為に いろんな事をしていました。
しかし、力も知恵もあまり無かったので
なかなか、1番にはなれなかったのです。

そこで、狐は
自分より、ふくろうに気に入られた動物は、森から追い出すことにしていました。

まず、クマの悪口を他の動物に言い始めました。

クマってさ、私が挨拶しても知らん振りするのよ。
いつも、不機嫌そうに私の事にらむのよ。
仕事をサボってっているのを見たわ。


ほんの小さな事も言いふらします。
何かトラブルがあると、なんでもクマのせいにしました。

やがて、森の木が枯れ始めるという大事件がおきました。

初めは、気にしなかった他の動物も
だんだん、悪い事はクマのせいだと思うようになりました。

そんなある日
ふくろうより偉い、ライオンが森にやってきました。
このあたりでは1番恐ろしい動物です。

ライオンは、森の木が枯れて、動物達が不安になっている事を知りました。

ふくろうは、ライオンに怒られるかと思うとおそろしくてたまりません。

なぜ、森の木が枯れているのだ!

ライオンは、たてがみを震わせて、大声を出しました。


ふくろうはもちろん、誰も答える事は出来ません。








クマのせいじゃない?

誰が言ったかわからないほど、小さな声がしました。
それから動物たちは、次々に

そうだ、そうだ  クマのせいだ 

と言い始めました。





次回へつづく。  

Posted by ウル猫 at 19:20Comments(0)TrackBack(0)創作童話

沖縄の怪談。

2006年10月02日

戦後まもなくの沖縄の話です。
南城市に住んでいたK子さんが、まだ女学生の頃です。

その日は、隣町の映画館に 友人5人と行く約束をしていたK子さんは、
朝から、母親に映画に行きたいとお願いしていましたが、
急にその日は、親戚の家での手伝いを命じられて
母親の許可が下りずに、友人たちと一緒に映画を見に行く事ができませんでした。
あきらめられずに、K子さんは不満顔で手伝いをしていたので
「映画はいつでも行ける!」と親戚のおばさんに たいそう怒られたそうです。

やがて夕方になり
映画の話でもしながら、わいわいと少女たちは 歩いて20分ほどの道のりを
家へ向かっていたのでしょう。
やがて、このカーブを曲がれば、家々の明かりも見えてきます。

その時です。
1台の米軍のジープが、ものすごいスピードで突っ込んできました。
そして、ジープは逃げまとう少女たちを狙うかのようにシリシリと轢いていったそうです。

少女たちは次々と突き飛ばされて、ほとんど即死状態だったそうです。
当時、畑だったその場所に遺体は散乱していたそうですが
ただ一人だけ、赤いセーターを着ていた少女の姿だけが
いくら探しても見つからず、家族はとても心配していました。

数日後、米軍の病院に担ぎ込まれ 無事なことを知ったそうです。

年寄りは、あの子は赤いセーターを着ていたのでアメリカーと思われて助かったんだと
話していたのですが、
今思えば、意識があったのは この少女だけだったので
米軍は急いで病院に運んだのでしょう。

本当なら、この災難に巻き込まれていたであろうK子さんは
あの時は、あんなに恨んでいた親戚のおばさんでしたが
今では、あの時 映画館に行くのを止めたおばさんに 感謝しているそうです。

そのことがあってから
夜になるとこのカーブには、少女たちの幽霊が出ると噂されました。
ある会社員は酔っ払って帰る道で、
女の子から飴を貰ったと家に帰ってポケットを探ると、石ころが入っていたとか。
ある学生が、自転車の二人乗りをしていたら、後ろに乗っていた方が
急に急げ!急げ!というので問いただすと
少女が追いかけてきたと、真っ青な顔で震えていたとか。
後から建った近くのアパートでは、夜中に上の階の住人が、とんとんまな板の音を立てるので
「遅くから夕食作っているんですか?」と聞いたら、そんな事はしていないと気味悪がられたとか・・・

数々あります。


もともと、お墓が多い 怖い感じこの場所でしたが
こんな噂も広まって
日が落ちると、子供たちはもちろん、大人さえこの道を歩く者はいませんでした。
あれから50年あまり、今ではすっかり、町並みも変わり
大きなお店もできて、その場所でそんな事があったなんて誰もわからないでしょう。


これは、K子さんの親戚の方から聞いたお話です。





  

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創作童話

2006年01月19日

昔々、ある所に村がありました。

村のはずれには、古い大きな柿の木がありました。

1年に1度、この柿の木には 
とても立派な柿の実がたくさんなるので
村人は柿の木をとても大事にして
柿の実を売って暮らしていました。

ある年、柿の木に誰も見たことがないほど
たくさんの柿の実がなりました。
10年分ぐらいありました。

村人はたくさんの柿の実を売って、お金が儲かって大喜びでした。

ところが、その翌年から柿の木はただの1個も
柿の実をつけなくなりました。

とても古い柿の木だったので
もう実をつけることが出来なくなったのかもしれません。

そうなると村人は誰もこんな柿の木の事は
見向きもしなくなりました。

代々この柿の木は、村の助けになっていましたので
柿の木の世話は、村長の家の者がするしきたりになっていましたが
柿の実がひとつも出来ないと分かった村長は 面倒なので
水をやる事も 肥料をやる事も ムダな事だと思って放ってしまいました。

古い大きな柿の木はどんどん弱っていきました。

もともと、土地もあまり豊かではないこの村で
もし、この古い大きな柿の木がなかったら
とうてい暮らしていく事は出来なかったはずなのですが。

柿の木の近くには、貧しい家族が住んでいました。
今まで、柿の実に助けられていたので
日に日に弱っていく柿の木が、かわいそうでなりませんでした。

貧しい家族は柿の木の世話をするようになりました。

日照りの時も、嵐の時も
病気になってしまってもあきらめずに世話をし続けました。
柿の実を売って得たお金も使い果たしました。

やがて8年ほど経ったとき、奇跡が起こりました。
あんなに何年も柿の実を付けなかった木が、
ほんの少し、実をつけたのです。
家族への感謝の気持ちだったかもしれません。

村人は、家族の苦労を知っているので
その柿の実は貧しい家族のものだと誰もが思っていました。
柿の実がなった事は村長には黙っていました。

柿の実を残して古い大きな柿の木は枯れてしまいました。

しかし、ある日、気まぐれに訪れた村長に
柿の実を見られてしまいました。
そして、村長が自分のものだと言い出しました。

貧しい家族はもう食べるものもありませんでした。

村の人は分かってくれましたが
しきたりは変えられません・・・
貧しい家族が柿の実を得る事は罪でしょうか

貧しい家族はどうしたらいいのでしょう・・・

         END  

Posted by ウル猫 at 18:12Comments(7)TrackBack(0)創作童話